2008/12/26

TDW_1722



JPCのセミナー、終了しました。2Dから3Dへ意気込んで移行したわけじゃないのに、「いったいどういうわけでこういうことやってるのか」ってことが、講演のスライドを準備していてなんとなくわかってきました。これからの方向を探る上で貴重な機会でした。ありがとうございました。

ところで関係ないけど、おとといクリスマスイブの日に美容院に行ったときの話。店の男性がひとかかえほどのサイズの円錐形の白い物体を大切そうに持って、入り口のカウンターに向かいました。その物体をカウンターに置いたら、青い発光ダイオードできれいに光りはじめました。「おお〜!おしゃれなクリスマスツリーだ!」と、カットしてもらってる女性に言ったところ、「え??そんなものどこに?」。メガネをかけて見たところ、その白い物体は加湿器だったのでした。円錐のてっぺんから湯気が出てました。検索してみたところ、アピックス超音波式アロマ加湿器と思われます。

同じようなこと思い出した。高校の頃、谷川のところでみんなでキャンプ。川で泳いでたとき、向こうに白い大きな鳥がいました。「白鳥がいるぞ!」。近くにいた3名でそーっと近づいてみたところ、それはゴミ袋だったのでした。3人ともメガネをはずしてたもので。

2008/12/20

12月25日(木)にセミナーやります

JPC定例セミナー『表現力を高めトラブルをなくすイラストレーション作成法』
第6回 仕事を広げるアニメーション&3Dにトライ」


http://www.jpc.gr.jp/jpc/seminar/081225.html

日時:12月25日(木)13:30〜16:50(13:00 受付開始)
会場:アップルジャパン株式会社 セミナールーム(東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティータワー32F)京王新線「初台駅 東口」徒歩5分(東京オペラシティビル直結)

■プログラム
13:30〜14:30(60分)
 「Flashアニメーションで広がる仕事の領域」
  ・IllustratorからFlashアニメーションを作る
  ・自分で絵を動かすことで可能性が広くなる
  ・IllustratorとFlashのデータ連携性
    イラストレーター 藤井 啓誌氏

14:40〜15:40(60分)
 「木村流キャラクターアニメーション」
  ・平面イラストレーションとアニメーションにおける表現方法の差異と類似性
  ・コラージュによるバーチャルタレント(キャラクター)の作り方
  ・Photoshop〜Flashの連携、ワークフロー
  ・Flashによるテレビ放送用アニメーション制作
    イラストレーター 木村 タカヒロ氏

15:50〜16:50(60分)
 「3Dキャラクターから動画&立体への展開」
  ・3D CGでキャラクターを作るきっかけと動機
  ・3Dアニメーションへの展開
  ・バーチャルからリアルへ〜フィギュア制作の足がかり
    イラストレーター 吉井 宏氏

「Painterで2Dイラストだけやっていた僕が、3DCGを始めたことでアニメーションから立体制作まで、仕事の幅が拡がっていった話」を中心に、多数の作例やムービーをお見せしながら語る、といった内容になる予定です。Webで非公開のアニメーションやフィギュアの実物も見れますよ。

(製品発表会のデモとかじゃなくて純粋なセミナーとしては、2006年2月にアップルストアでやったPainterセミナー以来です。2年10ヶ月ぶり。)

2008/12/16

タブレットユーザーのための究極バッグ


「液晶タブレットCintiq12WXの専用バッグ」として秋に発売になった、WACOMオリジナル「プロフェッショナル キャリングケース」というバッグ。製品ページに載せるレビューをWACOMさんから依頼されまして、一個いただきました。

「僕はCintiq12WXを持ってないけどいいんですか? intuos3 PTZ-631Wならありますけどね。」と申し上げたんですが、結局intuos3を入れて使う前提でレビューを引き受けました。

Cintiq12インチ専用のバッグの紹介文にintuos3でホントにいいのかな? と思いましたが、バッグが届いて納得。これ、特にCintiq専用というわけじゃないんですよ。たいていのノートパソコン用バッグって緩衝材で保護された大きな区画がありますよね。おおざっぱに言うと、その区画が2つあるのが特長のバッグなんです。2つの区画に、タブレット(主にCintiq12インチ)と最大17インチのノートパソコンを入れられるわけです。

intuos3 PTZ-631Wを入れてみましたが、ちょうどいいサイズ。もうひとつの区画には、17インチのMacBook Proがスッポリきれいに入ります。

従来のノートパソコンバッグで、タブレットの収納が考慮されているものを見たことない。それだけでも貴重だ。探してたんですよ。僕らタブレット使いにとって、タブレットが入れられないバッグなんて何の役にも立たないんだもん。また、大型のノートパソコンを2台収納できるバッグでもあるんですよ。それだけでもかなり珍しい。

本来Cintiq12インチのコンバータボックスや電源アダプタ・ケーブル類を入れるためのポケットがごっそり空くため、もともと多いポケット数がさらに多くなる。

付属のWACOMのペン数本を入れるケースはそのまま利用するにしても、MacBook Proの電源アダプタやマウスなど細々した機器やケーブル、外付けHDドライブを2台、作品ファイルや書類ケース、雑誌等々。バッグの外側にはiPod用のフック付きケースやペットボトルホルダーも使ってみた。

これだけ詰め込んだのに、空いているポケットがまだ9個も残ってる。普通に仕事に使うであろう機器や出かけるときに持っていくモノはみんな入れたのに、これ以上何を入れたらいいのか思いつかないほど。まさにブラックホールみたいなバッグです。

実際のところ、気合いを入れて大きなタブレットを含む仕事道具全部を持っていく必要がある場合に、こんな打ってつけのバッグは今までなかったかもしれない。ノートパソコン2台を持ち運ぶのにもお勧め。せっかくのバッグなので応援の意味で書いてます。

WACOMさんが12インチCintiq専用というニュアンスでアナウンスしちゃったのは失敗かなと。Cintiqを持ってない人は「関係ないや」って視野からはずれてしまったかもしれない。タブレットも収納できる汎用のノートパソコンバッグと言い換えることを進言しました。まあ、ガジェット好きにとって「専用ケース」はとても惹かれるアイテムだからなあ。「汎用ケース」にお気に入りのガジェットを入れるのは屈辱ってこともわかるし。

以前、「スーツケース一個に仕事道具が全て収納できるのが理想」と言ってましたが、このバッグに全部収納して持ち運べたら最高。残念なことに、すでに「全部ノートパソコン化計画」は挫折していてメインマシンはMac Proに移行してしまってます。でも、このバッグを利用して「仕事道具ワンセットをひとつのバッグで持ち出し可能化計画」をやってみようと思います。

製品ページ

(「イラストレーター吉井 宏さんからのコメントを読む」のところに短いレビューといろんなものを詰め込んだ写真があります。)

2008/12/09

オトダスト2と音楽ガジェット

モバイルDTMイベント「オトダスト2」にポッドマン(ユニット名?っていうか同名のイベントをやってた仲間)の3人で行ってきた。「オトダスト」とは、NINTENDO「KORG DS-10」、KORG「KAOSSILATOR」、YAMAHA「TENORI-ON」、学研大人の科学シンセ「SX-150」など最近増えてきた「モバイル楽器ガジェット」で楽しむ音楽イベント。Youtubeやニコニコ動画を「OTODUST」で検索するといっぱい出てきます。詳しくはリンク先で。

オトダスト

今年9月に第一回オトダストが開かれ、そのムービーをYoutubeで見てぜひ次回は行きたいと思ってたのです。いろんな音楽ガジェットを使った10組ほどのライブ演奏や開発者のトーク、飛び入り音楽ガジェット品評会などなど。

今回はTENORI-ONがほぼ主役。たった一台であれだけ豊かな演奏ができるのかと驚かされた。鍵盤の代わりに16x16のボタンでコントロールしてトラックを重ねていくのですが、メロディをきちんと弾く以外の音楽的要素は、単純ななピコピコから壮大なオーケストラまですべてカバーできるんじゃないかな。出演者の一人RUBYORLA氏はもう一台のTENORI-ONでVJ映像まで操ってました。まあ、TENORI-ONは値段も機能もガジェットと呼ぶにはちょっと高級すぎる感もありますけどね。

僕的に一番ツボだったのはL-eye氏のDS-10ライブ。その場で作りながら演奏するミニマルテクノ?は圧巻でした。リズムトラックを鳴らしっぱなしにしておいて、2つのシンセトラックでフレーズと音色を作りながら、交互にミキサーでフェードイン・アウトするスタイル。二つのトラックが交差するところなんか、普通にテクノのDJプレイみたいで実にカッコよかったです。

まあ、たしかにステージパフォーマンス的には「小さなDSをのぞき込んでスタイラスペンで突っついて演奏」は見栄えするはずもないんだけどね。でも普段はイヤホンつけて個人的にやってることが、ステージのライブ空間と連続で繋がってるってことが新鮮でした。

17時〜23時半までの長丁場、途中で食事に出たりして全部は見れてないんだけど、とても楽しかったです。次回があれば今度は出演してみたいです。

ガジェットといえば、スタイロフォンの復刻版が出たんですね。25年も前、クラフトワークのライブのアンコールで「デンタク」をこれで演奏してたのを覚えてます。コード付きペンで鍵盤風の金属板に触れると音が出ますがシンセでも何でもなく、チープな電子音が出るだけのただのオモチャです。3580円。でも楽器ガジェット好きとしてはタマラン。これで「イパネマの娘」を演奏してる動画がニコ動にありますね。僕としては「デンタクを弾くためのオモチャ」で十分!

Stylophone

2008/12/01

Photoshop CS4トライアル版

Photoshop CS4トライアル版がダウンロード可になったので、さっそく入手。僕的ハイライトを書き出してみます。

●Painter的機能の追加その1「画面の回転」

待ってました! 「回転ビューツール」が搭載されました〜。Painterでいうところの「用紙(キャンバス)回転ツール」。紙を描きやすい角度に回しながら描くように、画像を回転しながら作業できるようになった。Adobe CS4へのアップグレード、この機能追加がなかったら申し込まなかったかもしれない。僕はPhotoshopのブラシをPainter風にカスタマイズして使っているので、これで描画的にPhotoshopとPainterが同等になってしまった。とはいえ、手のひらツールのように一時的に回転ビューツールに切り替わるようなショートカットキーが用意されていないので、頻繁にグルグル回しながら描くには向かなそう。(←追記参照)

●Painter的機能の追加その2「ブラシサイズのショートカットキー」

これまたPainterで便利な「ブラシサイズ変更のショートカットキー」がPhotoshopでもできるようになった。従来は右クリックでマスター直径サイズをスライダで変更しなくちゃならなかった。それが面倒で、サイズ違いのブラシをたくさん登録しておいたほどだ。Photoshopでの描画がかなりラクになる。

●慣性スクロール

手のひらツールでスクロールすると、動かした速さに応じてビヨ〜〜ンとしばらくスクロールし続ける(クリックすると止まる)。最初は面食らったけど、たしかにこのほうが便利。大きな画像の一部を表示して作業していると、延々手のひらツールでスクロールし続けなくちゃならないことがあり、疲れるのだ。ジャマだったら環境設定「フリックパン」でオフにできる。

●ブラシの筆圧最適化

Photoshop7で現在のブラシになって以来ほとんど進化がなかったのだが、どうやらタブレットの筆圧感知の最適化が進んだようだ。筆圧で線幅が変化するブラシでよくわかる。CS3まではストロークの抜き部分で途切れたり急激に変化しがちだったが、CS4では気のせいではないことがわかる程度には筆圧変化をしっかり表現できるようになった。スッときれいに抜ける。

●3D機能の進化(Extendedバージョンのみ)

3Dモデルを読み込んで配置する機能がCS3で加わったが、いくつか機能が追加された。

UV編集済みの3DモデルをOBJ形式で読み込むと、関連づけてあるテクスチャ画像も同時に読み込まれる。視点の回転が僕が慣れてる3Dソフトと逆方向なのが気持ち悪い。オブジェクト自体を回転させれば違和感はないけど、後でモデルごと書き出すと角度が変わっちゃうでしょうね。

ブラシ(B)とモデル回転のKのショートカットキーを使いながら描いてみると、割と普通に3Dペイントできてしまうのでちょっと驚いた。Option(Alt)キーで一時的にスポイトツールに切り替えるのも有効だけど、「照明なしテクスチャ」表示にしておかないと、影の色を拾ってしまうので注意。

拡散(色のこと)や光沢、バンプマップ、反射や発光など、一般的なマテリアル設定も、それぞれのマップ画像を追加・編集したり、ブラシでペイントできる。ブラシはバンプや光沢などどのテクスチャ画像にペイントするかを選べ、描画結果はリアルタイムに表示される。複数のマップ画像を同時にペイントできれば完璧だったのになあ。

ライティングも詳細に設定できる。無限遠・ポイント・スポットなどの各種ライトを追加・編集が可能。ソフトシャドウの具合やライトの色、スポットライトの角度、アンビエントライトまで設定できてしまう。

変なところ発見。3Dレンダリング設定の「面のスタイル」で、「標準」にするとモデルは虹色になる。これは「標準」と訳しちゃダメで、ここは「ノーマル(バンプマップの一種)」とすべきでしょうね。

最終レンダリングはめちゃくちゃ遅い。レイトレーシングをオンにするとシンプルなキャラクターモデルでも600pixel程度のレンダリングに5分くらいかかってしまう(8コアMacProなのに)。同程度の設定なら数秒でレンダリングしてしまう専用の3Dソフトとは比較にならない。そうそう、ポリゴンにサブディビジョンをかけられないので、サブディビジョンなしで最終結果な3Dモデルを使う必要がある。

まあ、当然ながら専用の3Dソフトを使うほうがラクに決まってるんだけど、Photoshop自体にこれほどの3D機能を搭載したことはすごいことに違いない。需要がどれほどあるか知らないけどね。本当に自在にペイントするには、きちんとUV展開しなきゃならないし。でも、BodyPaintやmodoやZBrushなど「3Dオブジェクトに直接ペイント」できるソフトを持ってない3Dソフトユーザーには、Photoshop CS4 Extendedは本格的に実用になると思います。

なお、STRATA LIVE 3D[in]をインストールしてみましたが、使えるようです。ただし、ちょっと試してみた範囲では、CS3でやってたようなきれいなPDF3D書き出しができない〜。やはりDesign[in]が必須なのかな。



●「コンテンツに応じて拡大・縮小」機能

ぐわっ!こんなことが許されていいのかっ!

●おまけ Adobe Bridge CS4

なんかすごく動作が速くなったような気がする。これなら常時起動しておいてFinder代わりに使ってもいいな。

・・・以上、また何かおもしろいことを見つけたら書きます。

詳しくはhttp://www.adobe.com/jp/joc/pscs4/whatsnew/


■追記
マニュアル見れば書いてあるんだろうけど、一時的に画面の回転とズームにするショートカットキーを発見。option(Alt)キーとF13〜F16の同時押しでできます〜。

■追記2
ああっバカバカ! 画面回転のショートカットキーの「R」を押してるときだけ「回転ビューツール」に切り替わるじゃん〜〜! 便利だ〜。

■追記3
ガ〜ン!! 画面回転の「R」だけじゃなく、なげなわでも消しゴムでも、たいていのツールのショートカットキーが「別のツールを使ってるときに一時的に切替え」できるのだった。新しい3D機能の3D回転にも使える。長年Photoshop使ってきたのに知らんかった〜。

あと、手のひらツールのスペースバーと、ツールのショートカットが設定されているキーの同時押しで、「一時的に画面全体と現在の表示範囲枠を表示し、ナビゲーター機能のように移動」ができるよ。